SNSマーケティングとは?

昨今は業種・規模を問わず、企業にとってSNSを活用したマーケティングは欠かせないものとなってきています。しかし、今ひとつやり方がわからないという方も多いのではないでしょうか。当記事では、SNSマーケティングの基本的な知識を解説します。
- SNSマーケティングとは
- SNSマーケティングが注目されている3つの理由
- SNSマーケティングの5つの効果
- SNSマーケティングに使われる各SNSの特徴
- SNSマーケティングを行うときの注意点と対策
- SNSマーケティングとは?まとめ
1.SNSマーケティングとは

SNSマーケティングとは、SNS(Social Networking Service)を利用したマーケティング活動全般のことを言います。よく勘違いされがちなことですが、SNSで直接的に商品やサービスを宣伝することだけが、SNSマーケティングではありません。
SNSを活用し商品やサービスの認知度を上げたり、好感度を高めるようなブランディングをしたり、顧客とコミュニケーションを行うなど、SNSを活用したさまざまな活動のこと全般をSNSマーケティングと呼びます。
SNSの普及により企業も消費者もSNSを通じて気軽に交流をできるようになったため、SNSマーケティングを導入している企業は年々増加しています。また、近年はSNS上で直接、商品の購入や来店の予約ができるようなSNSも出てきており、積極的に活用している企業も増えてきております。
SNSの特徴として拡散性があるため消費者によるポジティブな口コミやレビューが増えればサービスの認知拡大やイメージアップなどにもつながりやすいのも特徴です。一方で、サービスがユーザーの期待を下回るものであった場合、ネガティブなイメージが拡散する場合もあるため、SNSマーケティングは顧客目線で運用をすることが求められます。
2.SNSマーケティングが注目されている3つの理由

SNSマーケティングが多くの企業で活用されている理由を3つ説明します。
スマートフォンが普及し消費者のSNSの利用率が高まっている
SNSマーケティングに注目が集まる理由として、消費者のSNS利用率が高まっていることが挙げられます。2021年の総務省のデータによると6歳〜80歳以上のすべての世代で個人のSNS利用率が高まっているというデータが明らかになっています。
従来ではSNSは若者が使うものというイメージがありましたが、近年では年齢問わず全ての世代でSNSが日常的なものとなっていると言えるでしょう。
背景としてはスマートフォンの普及と回線の高速化にともないSNSがより身近なものになったと考えられます。今後もスマートフォンの普及などによりさらにユーザー数は増えていくでしょう。
SNSで情報収集をしている人が増えている
従来の情報収集手段はGoogleやYahoo!などの検索エンジンで調べることが一般的でしたが、現代ではSNSを活用した情報収集をすることも一般化してきています。特に若い世代を中心にSNSをうまく使いこなしているユーザーは、SNSからの情報を信頼している傾向にあるようです。
一方で消費者は検索エンジンでの情報収集とSNSの情報のどちらも行うようになっているため、今後は両方とも力を入れていく必要があると言えます。
ユーザーと直接相互にコミュニケーションできる
SNSを使えば気軽にユーザーは相互にコミュニケーションをすることができます。そのため、コミュニケーションのスピードアップや、相互の理解が深まり優良顧客としてファンになりやすくなります。
このようにSNSマーケティングには様々な効果があるため近年注目されています。
3.SNSマーケティングの5つの効果

前述の通りSNSは様々なマーケティング活動で活用できます。例えば、商品企画時における情報収集や商品やサービスの認知、さらに購入後のサポートやユーザーとのコミュニケーションなどです。特にSNSマーケティングで効果的な部分は次のような施策です。
- 企業やサービスの認知度向上
- ブランディング
- ロイヤルティの向上
- ユーザーとのコミュニケーション
- 顧客情報の獲得
企業やサービスの認知度向上
SNS上で自社商品やサービスの情報を適宜投稿しユーザーに届けていくことで企業やサービスの認知度向上を狙うことができます。SNSは基本的にアカウントの開設自体は無料で行うことができるため、テレビCMや新聞に出稿する広告よりも低コストです。そのためうまく活用できれば低コストで認知の拡大を狙うことができます。
さらに、SNSの特徴として投稿がシェアされ情報が拡散されていくという特長があります。ユーザーがシェアしたくなるような魅力的な投稿や検索されやすいハッシュタグなどを使用することにより、多くのユーザーの目に触れ認知してもらうということも可能です。
ブランディング
SNSでは商品やサービスそのものはもちろんですが、販売している企業やブランドのイメージアップを図ることもできます。自社はどのような企業なのか。商品開発のコンセプトやエピソードはどのようなものか。ほかにはどんな商品やサービスがあるのか。このような内容の投稿を重ねてユーザーにじっくりと伝えていくことで、企業やブランドへの興味から購買へと繋がっていきます。
ブランディングの方法にも様々な手法がありますが、職場の風景や社長や社員が出演し、よりその企業を身近に感じてもらい信頼感を獲得するようなSNSマーケティングを行なっている企業もあります。
工夫とアイディア次第で様々なブランディング活動を行えると言えるでしょう。
ロイヤルティの向上
ロイヤルティとはこれは英語の「Loyalty」からきている言葉であり、意味は忠義や忠誠、誠実などの意味から、顧客がブランドや商品、サービスに対して感じる「信頼」や「愛着」のことを意味します。
SNSで顧客の信頼を高めることができれば、SNSの投稿のシェアや、友人へ口コミを行うなどの行動やリピートをして購買をするなど、企業にとって長期的な利益をもたらします。
ユーザーとのコミュニケーション
SNSではユーザー一人一人と直接コミュニケーションを取ることができます。そのためユーザーと企業との距離が近くなります。
商品やサービスへのコメントを拾い上げて、マーケティングや商品開発に活かすことも可能です。また、SNSの中にはアンケート機能があるSNSもあるため、うまく活用できればよりユーザー視点でのサービスの企画やサービスの改良を行うことができると言えます。
顧客情報の獲得
SNSでは顧客と直接接することで、商品やサービスがどのような顧客に使われているのかを把握することができます。さらに、ユーザーの他の投稿を参考にすれば、どのようなことに興味があるのかなど、細かな顧客情報を獲得することも可能です。
また、SNSの中にはアカウントのフォロワーの属性(年齢・性別・地域など)を細かく分析できる機能があるSNSもあります。そのため、ユーザーの属性に合わせた最適な商品企画やサービス企画も行うことが可能になります。
4.SNSマーケティングに使われる各SNSの特徴

SNSマーケティングに使用されるSNSとして、具体的にはTwitter、Facebook、Instagram、LINE、TikTokなどが有名です。それぞれのSNSでターゲットとするユーザーや活用方法は異なります。そのため自社の商品やサービス、SNSマーケティングの目的に合わせて各SNSを使い分ける必要があります。
Twitterの特徴は140文字という短い文章主体のSNSであるという点です。ユーザー層としては若者からシニアまで老若男女幅広い層のユーザーがいます。他のSNSと比較をしてもリアルタイム性が強く、またリツイートという機能があることからも拡散力の大きいSNSです。
Twitterは文字数も少ないため投稿のハードルが低く、ユーザーとのコミュニケーションも気軽に取ることができますが、匿名のユーザーも多く炎上や誹謗中傷なども他のSNSと比べると多いと言えます。
時事情報をタイムリーに投稿することができるため、新着情報のお知らせとして活用している企業が多い印象です。
Facebookの特徴としては30~50代のユーザーが多く、比較的年齢層が高いという特徴があります。また、Facebookは実名制でありユーザーの名前や学歴・会社名なども登録していればわかるという特徴もあります。基本的にはフォーマルな場としてユーザーどうしビジネス目的として利用しているユーザーも多いです。
また企業向けビジネスアカウントも無料で作成することもできます。Facebookのビジネスアカウントでは予約投稿機能やインサイト(ページビューや投稿のリーチ数、利用者の属性など)の詳細を確認することなど、よりビジネス向けの機能がついています。
近年急成長している写真や動画が中心のSNSです。日本でのアクティブユーザーは3300万人と言われており、以前は女性ユーザーが中心でしたが、現在は幅広い年代のユーザーが使用しています。特徴としては写真や動画などのビジュアル投稿が中心であるということと、ハッシュタグ(「#」を付けたキーワード)を有効活用すること多くのユーザーに投稿をと届けることができるという点です。
インスタグラムは通常の投稿だけではなく、24時間で投稿が消えるストーリーズ、動画投稿のリールや、リアルタイム配信のライブ、最近はECサイトに誘導できるショッピング機能も追加され、企業アカウントの利用が増えています。
LINE
連絡ツールとして有名なLINEですが、ビジネス用のLINE公式アカウント(旧:LINE @)というものもあります。特徴としては、ユーザーに直接メッセージを届けることができることや、クーポン配布、セール情報の告知などを行えることが特徴です。
無料でもメッセージ配信を月に1000通まで行うことができ、クーポンやショップカードの機能から効果的に集客につなげることができるSNSです。
TikTok
10代から20代の若い世代を中心に利用者が急増しているSNSがTikTokです。15秒から60秒のショートムービーを投稿でき、サクサクと気軽に動画を見ることができることから近年急速にユーザー数を増やしています。
TikTokの特徴としてはレコメンド機能と呼ばれる、ユーザーの行動履歴からおすすめの動画を提示してくれる機能があります。良質なコンテンツを作成できればクリエイターのフォロワー数に関わらず視聴される機会が得られるという特徴からも近年多くのクリエイターが参入しています。
5.SNSマーケティングを行うときの注意点とポイント

SNSマーケティングには認知の拡大から集客まで大きな効果が期待できますが、間違ったSNS運用を行うとトラブルもよく起きがちです。SNSマーケティングの注意点を押さえて、対策を考えておくことが重要であると言えるでしょう。
魅力的なコンテンツを発信することが重要
企業のSNS公式アカウントは一般ユーザーの投稿よりもエンゲージメント率(ユーザーが投稿に対して反応をする割合)が低いと言われています。SNSやネットの普及によりユーザーのリテラシーも上がっています。そのため、広告色の強い投稿はユーザーから敬遠され、逆にユーザーに悪い印象を与えてしまうことにも繋がりかねません。
SNSを活用したマーケティングを行う際には、ユーザーがシェアしたくなるような投稿や、役に立ったと感じるような投稿などの魅力的なコンテンツを発信していくという姿勢が重要です。
継続して運用する体制構築が重要
SNSのアカウント自体を開設することは簡単に出来ますが、継続して投稿をおこなっていくことは簡単ではありません。投稿が途中で止まってしまうとユーザーはフォローをしなくなることもありますし、同じような内容だと飽きられてしまうこともあります。
そのため、定期的にコンテンツの企画を考え続け、またコンテンツを作り続けていく体制の構築が重要であると言えます。SNSマーケティングは継続していくことで効果が目に見えるということを肝に銘じ運用を継続していきましょう。
炎上リスクを抑える運用が重要
SNSは投稿の内容に注意をしないと簡単に炎上してしまいます(SNSにおける炎上とは、火が勢いよく燃えるかのように好意的ではないコメントが集中的に投稿されること)。炎上する理由としては、SNSアカウント担当者の誤操作、投稿や顧客へのコメントの内容、従業員やアルバイトの不適切な投稿などさまざまなものがありますが、一度炎上をしてしまうと悪い企業イメージが拡散されてしまい、信用を失うことにもつながりかねません。
そのためSNSマーケティングを行う際には、SNSの担当者の研修を行うことやSNS運用ポリシーを明文化するなどの仕組みが重要です。クレームや炎上をした際の対応をあらかじめ準備することなど想定できることは準備しておきましょう。
6.SNSマーケティングとは?まとめ

以上がSNSマーケティングについての解説になります。SNSマーケティングには様々なメリットもありますが、注意点も多くあるので気をつけて運用していくことを心がけましょう。