ホームページのコンテンツ構成はどうするべきか?

企業のホームページを制作する際にコンテンツ作りで悩まれる場合も多いと思います。当記事では企業のホームページ(Webサイト)に記載するべき10個のコンテンツについて解説します。
1.会社概要

会社概要ページの目的は貴社の情報を訪問者に伝えてどのような会社なのか知ってもらうことです。貴社について詳しく知りたいと思っている人はほぼ100%閲覧します。そのため、どのような業種・規模のWebサイトでも会社概要のページは作るべきであると言えます。
会社概要ページを見に来る人はどのような人なのかを掘り下げてみると、下記のような人たちが閲覧します。
- 貴社との取引を検討している会社
- 貴社から物やサービスを購入したいと思っている消費者
- インターネットや口コミで貴社名が書かれており興味を持った人
- 就職活動をしている求職者
- 銀行などの金融機関
このように様々な関係者が貴社の会社概要を見に来る可能性があります。また、アクセス解析を行ってみるとトップページの次にアクセスが多いページという場合も多いので、過不足なく情報を記載し訪問者の方に正確に情報を提供することが重要です。
一方で会社概要ページに記載する内容はほぼ決まっています。そのため、抜け漏れがないように当てはめてもらえれば問題ありません。
最低限会社概要ページに記載するべき内容は以下の項目です。
- 会社名
- 所在地
- 電話番号
- メールアドレス
- 代表者名・役員名
- 事業内容
- 設立年
- 受付時間
- 許可・登録・免許
他に記載があるとよい項目は以下になります。
- FAX番号
- 従業員数
- 売上高
- 資本金
- 取引銀行
- 取引先企業名
- 関連会社
- 所属団体
- 会社沿革
- 決算時期
- 顧問税理士・社労士・弁護士等
上記の記載があると良い項目ですが、取引先企業名などは相手企業の許可が必要だったり、従業員数や売上高などの数値は比較的変わる可能性も高く都度変更する必要があったりと、Webサイトのメンテナンスにやや手間がかかってしまいます。
そのため最低限記載するべき内容を書きつつ、特に記載をしたいという項目は追加をしていくという考え方で良いでしょう。
2.製品紹介

製品紹介のページには貴社の製品内容を記載していきます。目的は訪問者に対してわかりやすく製品の情報を伝え、コンバージョン(購入やお問い合わせなど)に繋げることです。
製品紹介ページは顧客目線でわかりやすく、丁寧にページを作り込んでいく必要があります。一般的には下記のような内容を記載していきます。
- 課題想起・悩みを思い浮かべてもらう
- 課題の解決方法
- 製品の特徴・機能
- 製品の他社比較
- 製品の導入事例
- 製品の価格
- 製品導入までの流れ
- 製品に対するよくある質問
- CTA(お問い合わせ・資料請求・購入)
一昔前のWebサイトの製品紹介ページは、製品の概要を親ページに記載し、価格や機能などはそれぞれ別のページに記載している場合も多かったのですが、最近ではLP(ランディングページ)と呼ばれる、訪問者にアクションをしてもらうことを目的に1ページに全てをまとめたレイアウトが多くなってきています。
背景としては訪問者が知りたい情報を1ページに集約することでページ遷移に伴う訪問者の離脱を抑制したいという意図や、スマートフォンの普及で縦長でスクロールするレイアウトの方が好まれているということが挙げられます。
そのため、製品ページ内にCTA(Call To Action:コール トゥ アクション)と呼ばれる「お問い合わせ」「資料請求」「購入」などの最終的な成果を強く意識した形になってきていると言えます。
ただし、よくある質問など全てを記載すると量が多くなってしまうコンテンツに関しては、よくある質問ページを別で作成して、製品ページにはいくつかピックアップしたものを載せるなどの工夫をしていくと良いでしょう。
また、取り扱っている製品やサービスが多い場合は、それぞれ製品ごとにページを分けてコンテンツを作成した方が良いでしょう。
3.代表者挨拶

代表者挨拶・代表者プロフィールのページは、アクセス解析をしてみると実はアクセス数が多く非常に重要なページです。
訪問者の多くは製品やサービスを検討する際に、代表者挨拶を読み信用できるか会社なのかどうかを判断材料にします。対面の世界とは異なり、インターネット上ではお客様と直接顔を合わせてコミュニケーションを取ることは簡単ではありません。顔が見えないインターネットの世界では信頼感を得ることが何よりも重要です。
相手の顔がわからない場合、魅力的な製品やサービスがあったとしてもお問い合わせをためらってしまう人が多いのが現実です。しかし代表者の顔が載っていて挨拶もしっかりと書き込んでいるWebサイトであればお客様の不安を和らげることが出来ます。
特にコンサルタント業や士業(税理士・社労士・弁護士・司法書士・行政書士など)の方は自身がサービスでもあるため、どのページよりもしっかりとしたコンテンツにしなくてはなりません(トップページやサービスページが良くても、代表者ページがイマイチだと全てがダメになりかねません)。
代表者挨拶ページに記載するべき内容は以下のようなものになります。
- 顔写真
- 経歴・プロフィール
- 仕事・サービスへの想い・エピソード
- プライベートな話題など
代表者挨拶ページの目的は信頼のためです。そのため信頼に繋がるような内容を記載することを常に意識しましょう。
よく「顔写真」は必要ですか?という質問がされますが、可能な限り代表者の顔写真は載せるようにするべきです。顔写真を載せるべき理由もお客様に対しての信頼のためです。どうしても自分の顔は載せたくない、という人は仕事中の写真でもいいので何かしら写真は用意しましょう。
経歴やプロフィールはシンプルにわかりやすく、業界歴や取得している資格、学歴や専門性などを記載すると良いでしょう。また仕事やサービスへの想い・エピソードに関しては文章の上手い下手よりも、代表者ご自身の言葉でありのまま記載することが大事です。訪問者へ信頼感を与えるという意味で、趣味やプライベートな話題も記載することも効果的です。
4.よくある質問

よくある質問ページ(FAQページ)もWebサイトには設置をするべきです。
お客様は何かわからないことがあった際に、まずはWebサイトを調べ、それでも解決しない場合は、電話やメールで直接問い合わせることが一般的です。もし、自社のWebサイトにその疑問に対する回答が書いてあれば、わざわざ直接連絡をする必要がなくなります。つまり、しっかりと作り込んだFAQページがあればお問い合わせ対応の負担も減り、お客様にも企業側にとってもメリットがあります。
また、お問い合わせをいただく前の段階で、疑問や質問に答えておくことでその後の商談もスムーズに進みやすくなります。あらかじめお客様からの疑問・質問に対して、先回りして答えておくように準備をしておくことは重要です。
よくある質問ページの作り方のポイントは、わかりやすいタイトルで、顧客目線で丁寧に答えるということがポイントです。回答は別ページを参照ください、とリンクを貼っているだけではいけません。無駄な画面遷移を訪問者に行わせないように、FAQページ内で質問に答えるように作り込むことが大切です。
また、専門用語を多用することは避けてどのような訪問者にも伝わる言葉・用語で記載することを心がけましょう。
5.お問い合わせ

お問い合わせページも設置するべきコンテンツです。お問い合わせフォームは電話でのお問い合わせとは異なり24時間受付可能であるため機会損失を防ぐ意味でも重要です。また、いきなり電話をかけるのは心理的にハードルが高いというお客様でも、メールでのお問い合わせならハードルが低いという方もいるため設置をするべきでしょう。このように気軽に問い合わせができるというメリットがお問い合わせフォームにはあります。
お問い合わせページの作り方にはいくつかポイントがあります。
- ページ内に不要なリンクは載せない
- 必要以上の項目を入力させない
- 入力例をいれるなどわかりやすくする
- 全角・半角の指定などをさせない
- スマホでも入力できるように最適化する
ページ内に不要なリンクは載せない
お問い合わせページ内で離脱する訪問者というのは非常に多いため、お問い合わせページ内には余計な情報やリンクを載せないようにしましょう。レイアウトは他の画面よりもシンプルにすることが重要です。
必要以上の項目を入力させない
会社名や連絡先などの情報は入力してもらう必要はありますが、例えば年齢や性別などの情報の入力は本当に必要でしょうか?訪問者の視点で考えて、サービスに必要ではない情報を入力させないという意識を持つことも大切です。
入力例をいれるなどわかりやすくする
入力項目の近くに入力例を記載することも重要です。ここでもお問い合わせをする人の視点に立ってわかりやすくすることを心がけましょう。
全角・半角の指定などをさせない
全角もしくは半角で入力という指定はさせないようにしましょう。システムの方で全角から半角にすることや半角から全角に変換することなどは可能です。そのため、わざわざお問い合わせをするお客様に負担をかけることはしてはいけません。
スマホでも入力できるように最適化する
パソコンからの問い合わせに対応をするのではなく、スマートフォンからの問い合わせにも対応できるように、レイアウトやデザインの調整をするようにしましょう。
6.お客様の声

お客様の声・お客様体験談のページを作ることも効果的です。お客様の声があることでサービスを検討中のお客様にとってより自分ごとと捉えてもらいやすくなり、また貴社に対しての信頼感も上がります。
お客様の声やお客様体験談ページの作り方のポイントとしては、可能ならばお客様の実名や顔写真を掲載することです。もちろん昨今の個人情報保護の背景からは難しい場合が多いのですが、お客様から掲載許可をいただけた場合は積極的に載せていきたいです。
一方で業種・商材によって掲載が難しい場合も多いと思います。そのような場合はアンケート結果を掲載するなどの、別の方法を検討すると良いでしょう。
7.実績紹介

お客様の声と同様にサービスの実績などを掲載可能であるならば実績ページも作りましょう。実績紹介ページをお客様の声ページ同様に、事前にお客様に掲載許可をいただくことが大切です。実績の中には機密情報を取り扱っている場合もありますし、お客様の中には実績ページに載せてほしくないと考えている人もいるため注意しましょう。
また実績ページはあえてWebサイトに載せず、お問い合わせをしてきた人のメールアドレス宛に実績資料を送信するという方法もあります。この場合は、お問い合わせをした担当者のメールアドレスを獲得できるため、その後の商談に繋げやすいというメリットがあります。
BtoBの商材などはこのようにお問い合わせをしてきた見込み度の高いお客様にのみ開示をするケースが適切な場合が多い一方で、BtoCの商材ではより広くサービスを普及したいため、Webサイトにそのまま実績を掲載する方法が適切な場合が多いです。
基本的には実績ページを作る方向で考えつつ、顧客との接点や連絡先をどのように収集するかという視点で工夫をしていくことが重要です。
8.採用情報

社員採用やアルバイトの募集をしている場合は採用情報のページも作成しましょう。
また近年はフリーランスの方へ仕事を外注する場合も多くなっているので、業務委託の募集なども掲載しても良いでしょう。採用情報ページに記載する内容としては以下のようなものになります。
- 募集職種
- 仕事内容
- 基本給
- 諸手当
- 休日休暇
- 福利厚生
- 勤務地
- 勤務時間
- 採用フロー
- 提出書類など
他にも社員インタビューや社長の声などのメッセージを入れても良いでしょう。社員インタビューでは実際に働いている社員の生の声や、仕事のやりがい、1日のスケジュールなどを記載すると、入社後のイメージも膨らみやすくなり入社後のギャップは起きにくくなります。
また本格的に採用活動に力を入れている企業では別途、採用専門のWebサイトを作ることもあります。Webサイトに予算を使うことができる企業なら、採用サイトを別途作成することを検討しても良いでしょう。
9.社員紹介

社員紹介ページを作成することも効果的です。特に採用の観点から求職者に対してどのような社員が働いているのかをイメージしてもらうために効果的です。社員ページを作りにあたっては誰を掲載するのか、内容はどのようなことを掲載するのかを考える必要があります。
採用ページでの社員紹介では下記のような内容を記載することが多いです。
- 職歴・学歴
- 入社の経緯
- 入社後の仕事内容
- 仕事のやりがい
- 職場の雰囲気
- 趣味
- 将来の展望
- 応募者に伝えたいこと
また採用ページではない場合の社員紹介ページでは、社員1人1人の仕事への意気込みや趣味、好きなことなど自由に記載する会社が最近では多い印象です。ここでも目的としては訪問者に対して信頼してもらうことが大切になります。
10.サービス・製品のコラム

余裕があれば自社のサービス、製品に関するコラム記事などもあると良いでしょう。コラムのページにはサービスや製品に関する一般的な知識から、エピソードなどを自由に記載しても問題ありません。
大切なことはお客様のお役に立つ情報を発信することと、お客様の不安や疑問を無くすようなコラムを掲載することです。ただし、最初から完璧にコラムを作ることは大変なためWebサイト公開後に徐々にコラムの内容を増やしていく方針でも良いでしょう。
11.Webサイトのコンテンツ構成まとめ

企業Webサイトを作る上で作りたいコンテンツを解説しました。全てを網羅できれば理想ですが予算の関係や時間の関係で最初から全てを完璧に作ることはなかなか難しいです。その際は当記事を参考に優先順位をつけてコンテンツを制作していくことをおすすめします。