Webサイトのブラウザ対応とは?対応すべきブラウザについて

世の中にはGoogle ChromeやSafari、Internet Explorerなど様々なブラウザが存在しますが、全てのブラウザにWebサイトを対応させることは難しいため、Webサイトを制作する際には対応させるブラウザの種類を決める必要があります。当記事では対応ブラウザの範囲をどこまで考慮するべきかについて解説します。
- ターゲットブラウザとは
- 問題になりがちなInternet Explorer対応
- 実際に対応するべきブラウザとは?(PC編)
- 実際に対応するべきブラウザとは?(スマートフォン編)
- 制作者と依頼者で揉めないために大事なこと
- Webサイトのブラウザ対応とは?まとめ
1.ターゲットブラウザとは

ブラウザとはWebサイトを閲覧するソフトウェアのことを言います。ブラウザには様々な種類があり、有名なところでは「Internet Explorer(通称IE)」「Microsoft Edge」 「Google Chrome」「Safari」「Firefox」「Opera」などがあります。
Webサイトを制作する際にはどのブラウザに対応するかを事前に決めておくことが重要です。ターゲットブラウザとは、どのブラウザに対応をするか(もう少し正確に言うと、制作の段階でどのブラウザで動作テストをするか)を決めることを言います。
1人でも多くのユーザーに閲覧をしてもらうためには世の中に存在する全てのブラウザに対応をしたほうがよいと思いがちですが、ブラウザは日々新しいものが出てきており、かつ同じブラウザでもバージョン毎に仕様が変わったりするため、全てのブラウザの全てのバージョンに対応させることは現実的には不可能です。もしそのようなことを行う場合には莫大な予算が必要になります。
そのためWebサイト制作では予めターゲットブラウザを絞り込んで効率的に開発することを行うことが重要です。
2.問題になりがちなInternet Explorer対応

実際のところ最近のブラウザは互換性が高いため、大きなレイアウト崩れなどは起こりにくくなっています。その中でも「Internet Explorer」はちょっと厄介であり、ターゲットブラウザの選定で問題になるのは多くの場合で「Internet Explorer」に対応させるか否かということです。
特にInternet Explorer6(以下、IE6)への対応は大きなコスト高の要因となるため要検討事項と言えます。IE6はWindow XP時代によく使われていたブラウザで、買い替えが進んでいない企業では未だ利用されているのが現状です。
IE6は既に公式ではサポートが終了しており、また不具合でIE6のみレイアウトのCSSを別途用意する必要があるなど、対応には大きな労力がかかります。そのため通常のWeb制作以上にコストが跳ね上がります。さらにデザイン面でも制約が出てしまうので理想のデザインでWebサイトを作ることが難しくなります。
Windows OSにはブラウザとしてInternet Explorerが必ず標準でインストールされてきておりましたが、今後Microsoft社はサポートを打ち切ると述べており、またInternet Explorerのシェアは全ブラウザのシェアのおおよそ3~5%というデータも出ています。
そのため今後新規でWebサイトを制作する際にはInternet Explorerへの対応はしない方向で進めた方が良い場合も多いです。
3.実際に対応をするべきブラウザとは?(PC編)

新規でWebサイトを制作する際に対応するべきブラウザに関しては、 下記の「Microsoft Edge」「Google Chrome」「Safari」「Firefox」の最新バージョンに対応することを基本方針として進めていくことが良いと言えます。
Google Chrome
Googleの公式ブラウザです。パソコンだけではなくiOSやAndroidのアプリもリリースされているため、スマートフォンで利用している人も多いブラウザです。
Safari
Appleが提供するブラウザで、Mac OSやiPhoneやiPadの標準ブラウザとなっています。日本ではApple製品のシェアは高いためターゲットブラウザの選定では外すことはできません。
Microsoft Edge
Microsoftが2015年から提供を開始したプラウザで、Windows10からは標準ブラウザとして搭載されているブラウザです。Internet Explorerに変わるMicrosoftのブラウザとしてシェアを伸ばしています。
Firefox
豊富な拡張機能があり、自分好みにカスタマイズしやすいブラウザです。PCにこだわりのある人が好んで使っているブラウザです。
2021年時点で「Microsoft Edge」「Google Chrome」「Safari」「Firefox」の4つのブラウザでシェア90%以上を占めているというデータがあります。そのためこれらに対応をしていくことを基本路線として制作を進めていきつつ、社内で未だInternet Explorerを使用していて当面の間パソコンも買い換えることが出来ない、ブラウザを変更することができないというようなイレギュラーな場合には、Internet Explorerにも対応をしていくことを考えるべきでしょう。
4.実際に対応をするべきブラウザとは?(スマートフォン編)

スマートフォンの対応ブラウザに関しては「Google Chrome」「Safari」が日本では圧倒的シェアのため、iOSでは「Google Chrome」「Safari」の2つ、 Androidでは「Google Chrome」へ対応を行っていれば問題ないでしょう。PCの時と同じく最新バージョンに対応をしていくことがスマートフォンでも基本となります。
ただし、スマートフォンは端末ごとに解像度の違いや仕様の違いなどのばらつきがあるため注意が必要です。実機でテストをするのが理想的ではありますが、端末の準備で追加費用が掛かったりするためその辺りを含めて検討をする必要があると言えます。予算を抑えながら最低限のチェックをする方法としては、ブラウザのデベロッパーツールでレイアウトを確認する方法などもあります。
スマートフォンでテストをする際にはブラウザや端末の種類を予め明確にしておくころが、依頼者と制作者の後々のトラブル防止には大切であると言えます。
5.制作者と依頼者で揉めないために大事なこと

ターゲットブラウザの対応で揉めてしまうケースとしては、最初の契約段階で対応するブラウザの仕様を決めないまま納品をし、完成後にクライアントのPCで閲覧をしたとき(主にInternet Explorerで)表示が崩れてしまうケースが非常に多いです。
また、対象となるブラウザが増えればそれに伴って動作確認(テスト)の工数が増えるため、制作費用は増えていきます。そのため、外部制作会社に発注を行う際には社内で対応するべきターゲットブラウザと予算を検討した上で発注を行うことが重要になります。
また制作会社側も契約段階で見落としがないかを確認することや、古いブラウザをお客様が使用している場合はモダンなブラウザの使用を促すような心遣いがトラブルを引き起こさないためには大切と言えます。
6.Webサイトのブラウザ対応とは?まとめ

Webサイトの対応ブラウザを絞り込むべき理由と実際に対応をするべきブラウザについて解説しました。費用対効果で考えた場合、Internet Explorerなどに無理に対応させることはデザイン面で制約を生んでしまったり追加のコストが掛かるなどデメリットも出てきてしまいます。
まずは社内の状況を確認し、どのブラウザに対応する必要があるのかを把握し、その上でより費用対効果の高いブラウザを選定することを意識していきましょう。